オフィスの甘い罠
それを耳にした柊弥が一瞬
ピタッと動きを止めたのを
――あたしも敏感に、
気づいてしまった。



(…………え? 
もしかして……?)



まさか――ホントに、
やけ酒だった?



でもさっきからしてる話は
他愛ない世間話ばっか
だし、機嫌もいたって
普通にしか見えないけど……。



「ごめんなさい――
悪いこと言ったかしら」



柊弥の顔色を見ながら、
とりあえず謝った。



内心では『やけ酒なら最初
からそう言ってよ!』って
心境だったけど。



「………………」



柊弥は無表情で黙ってて
何も答えない。



仕方なく、あたしが場を
なごます次のセリフを
頭の中で考えてると――…。


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