オフィスの甘い罠
それが今はホテルの部屋で
二人きり。



こんなの、ホステスと客の
境界線を超えまくってる。



そりゃもちろん、お金が
絡めばなんでもありの世界だ。

Aphroditeにだってすぐに
体を使うコはいるし――
あたしも、つきあい安い
相手なら気まぐれで夜まで
つきあってやったことは
何回かある。


もちろん《紫苑》としての
話で、あたしにはストレス
発散のゲームの一部でしか
ないけど。




だけどこんなのはもう、
ゲームの一環とは言えない。



こんなヤツと、一夜を
共にするなんて――…。




「――オレがお前に興味が
あって、お前を欲しいって
言ってる。

それだけじゃ、不満なのか?」



「―――――!」



それは、背骨の芯から
痺れを起こさせるような
不思議な響きを持つ声で。
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