オフィスの甘い罠
(こんなことってある……?

なんで……なんで柊弥が、
新しい副社長なのよ……!?)



連絡も来なくて、もう
会うこともないと思ってた。



万一連絡があったり店に
来たって、店を辞めて
電話番号を変えればいいと
思ってた。



それがまさか、昼間の
あたしに――香川梓の
世界に、アイツが入り
込んでくるなんて……!




その時、ずっと放置してた
せいでPCが省電力モードに
入って、画面が真っ暗になった。



ミラーのようになった
画面に映る自分の顔を
見て、あたしはハッとする。



(そうだ……まだ、気づく
とは限らないわ……!)



画面に映ったあたしは、
メイクも髪も夜とは別人。



それにメガネもかけてる
から、紫苑の面影はパッと
見た感じじゃどこにもない。
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