大好きな君にエールを*番外編
前方を見ると、見慣れた校舎が見えてきた。
「康也はいねーの?」
「は?」
「決まってんじゃん。好きな奴だよ!」
「…好きな…奴…」
すぐに浮かんだのは、倉橋の顔。だけど、春みたいに白状する気になれず『い、いるわけねーしっ』と返した。
「……嘘つけー」
「え?」
「康也ったら、麻帆のこと気にしてるくせに」
まさかの…倉橋の名前が出てきて驚いた。春はわかっていたかのような顔をする。
「バ・レ・バ・レだってのっ」
「い、いつから!?」
「いつからだっけ?わかんねー」
……嘘だろ?じゃあ、春はいつも俺が倉橋を気にしているのを、近くでニヤニヤしながら見ていたのか?