大好きな君にエールを*番外編
「……さ…最悪」
俺は足を早めて校舎へ向かった。その後を追いかけてくる春。
「いーじゃんっ。お互い知らなかった恋バナをする仲になれたんだから!絆が深まったんだぞ!」
「いや、俺はお前のことは知らなかったのに、お前は俺のこと知ってただろっ」
「あはっ、バレた?」
春のスマイルを無視し、靴を履き替えてふと顔を上げると……顔を…上げると…
「あ、荒嶋くんおはよう」
いつものスマイルを俺に向けてくれたのは、噂をしていた倉橋だった。
「おはよう!」
緊張の表情を隠して、変に声を張り上げる俺。……ダサい。
「春貴もおはようっ」
「おっす、麻帆!」
倉橋に挨拶をしながら、後ろから俺の横腹を小突く春。
……コノヤロー