大好きな君にエールを*番外編
そして、朝。
「おぉ!ありがとう!」
お姉ちゃんとお父さんにラッピングされたクッキーを渡した。……余り物だけどね、とお姉ちゃんと小さく笑った。
お母さんの分は考えていたから、ガトーショコラなの。渡すと嬉しそうに微笑んでくれた。
「はい、麻帆」
そして、お姉ちゃんからも貰ってしまった。
「え?いつの間に?」
「試作のやつ。本当の目的はコレのため」
嬉しくて飛びつくと、早く学校に行きなと急かされ、慌てて家を飛び出した。
「おはよー!」
「ハッピーバレンタイン♪」
教室に入ると、すでにチョコ交換が始まっていた。みんな、早いなぁ。
「あ!麻帆ー!」
ひーちゃんだ。
「はい。いつもありがとう」
「はい。こちらこそありがとう」
お互いに交換した。宣言通り、ひーちゃんはマフィンを作っていた。
「麻帆!あのね、昼休みにサッカー部の集まりがあるから、その時に宝賀くんに渡すんだぁ」
「ちゃんと渡せますように!」
「キャー、緊張してきちゃった!」
こういう気持ち、大切だよね。
やっぱりバレンタインは、女の子にとって大切な日だ。