大好きな君にエールを*番外編





そして、朝食を食べた。正直言うと、寮母さんの料理の方が美味い。その上を母さん、だな。


そういえば今日……来るんだったよな。言葉と態度で傷つけた俺のところに……本当に来てくれるのか?


「名前が元気、なのに元気、がないわね」


すると、朝の看護師が来た。名札を見ると『和島さん』と書いてあった。


「いつでも元気なわけないっすよ」


「せっかくいい名前なのに勿体ない」


そう言って、窓開けるよと俺を見た和島さん。


「これからより、今、を考えた奴がそんなんじゃ笑っちゃうわ」


え?


「野球のこと、少し聞いたわ」


ご両親から少しだけね、と笑った。


「茂山くんみたいな野球バカ、初めて会ったわ。普通はこれからを考えるのに、今しか考えてないんだもん」


「……だって、今しか甲子園に行けないじゃないっすか」





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