大好きな君にエールを*番外編
そう言うと、和島さんは吹き出した。
「だから何なの?決勝を勝ち抜いた大物がこんなに弱っちいとは思わなかったわ」
「は、はぁ?」
「茂山くんが仲間と築いた甲子園までの道のりがあるから、甲子園出場になったじゃない」
俺と、アイツらと築いた……道のり。
「でも俺は……」
「俺俺言うけど、自分のことしか考えてないのね?ねぇ、甲子園はプレーヤーしかいられないの?バット振って、グローブ構える奴しか行けないの?」
「それは……」
「違うでしょ?応援してくれる人、審判をしてくれる人、見てくれる人がいるから、ゲームが面白くなるんでしょ?」
俺、本当にバカだ。和島さんの言うとおり、自分のことしか考えていなかったんだ。
「症状のことを話さなかったのは……言えるわよね、お父さんとお母さんに」
和島さんの言葉を聞き、ドアを見てみると、父さんと母さんの姿があった。