大好きな君にエールを*番外編
「ははっ!アイツ緊張してそう!大丈夫かよー!な、実貴……ってどうした、お前」
あたしの表情に気づいたのか、シゲがトーンを落としてあたしを見た。
「ううん。何でもない」
「んなわけねーだろ。何思ってんだ?」
……言ってもいいの?
「……シゲがキャッチャーだったら、どうだったかなぁって思っただけ」
傷つかない?泣かない?
「きっとアイツ以上に緊張してドキドキしてんだろーな。でも、それ以上にココで戦えることを喜んでそう!」
どちらでもなかった。シゲは、笑顔だった。
「実貴、お前も純粋に野球を楽しめよ、な!俺のことを考えんな。今はキャッチャーの荒嶋や他のメンバーのことを応援してくれよ!」
ごめん、シゲ。
「うん……わかった!」
あたし、バカだった。
シゲにマイナスになることばかり考えてたよ。