大好きな君にエールを*番外編
「お前、康也が好きなんだろ?」
「は!?な、何言ってんのっ」
「見え見えなんだけどー」
そう言って春貴は、広げている課題の上にシャーペンを転がして、大の字になって仰向けになったある春の日。
あたし、倉橋麻帆。剣道にハマりつつ、イマドキの中学3年生である。
そして今、あたしの部屋には幼なじみの春貴が来ている。未提出物が多いため、担任から課題が出たらしい。
「お願いっ!お前ん家で課題やらせてっ。家で勉強してたら、母ちゃんがビックリし過ぎて腰抜かすと思うからっ!」
と言い訳を言っていたが、春貴の本来の目的はただ1つ。あたしの姉、優帆に会いたいだけなのだ。
お姉ちゃんに片想いをする春貴だが、お姉ちゃんにはもう彼氏がいる。