大好きな君にエールを*番外編
部活が終わってから、何十分経っただろう。
「よし、終わりだ」
監督の声が神の囁きに聞こえた。同時に倒れ込んだ。
「荒嶋」
額に冷たいモノを押し当てられ、飛び跳ねた。監督からスポーツドリンクを渡された。
「あ…ありがとうございます」
「おう、飲め」
俺はもう一度頭を下げ、スポーツドリンクを開けた。
「荒嶋、筋トレをしながら何を考えた?」
「え…」
「“監督ったら見てねーじゃん。筋トレよりバッティングの練習させろよ”か?それとも“筋トレだりぃ”か?」
何も言えなかった。だって…図星だったから。
「そんな考えでうちの4番を背負ってたのか、お前は」
ため息混じりに言葉を吐き出す監督を隣に感じながら、スポーツドリンクを口へ運んだ。