大好きな君にエールを*番外編





「……すみません」


小さな俺の呟きが、静かなグラウンドに囁かれた。


「反省する前に1つよく聞け」


「は、はい」


「今日の休憩の時にな、あいつら空を見上げながら言ってたんだ」


「……?」


「“康也って、ホント何もかもバカだよな”」


ん?悪口ですか?そんなのいちいち報告しなくても…



「“このくそキレイな夕焼け…康也にも見せたかったな”」



何気ない会話だったに違いない。だけど…その何気ない会話が胸にくる。


「筋トレの時に何回も空、見上げただろ?あいつらが見た夕焼けの残り空を」


監督はただ筋トレをさせたんじゃないんだ。


今…初めて……監督の心を感じとることができた。






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