彼の視線の先、彼女。
「ありがとう、言ってくれて。これで吹っ切れる」
そうやって笑った千尋は輝いてた。
私が知ってる千尋だった。
もう一度千尋と馬鹿みたいに笑いたいって思った。
「・・・っもう、友達には戻れないのかなぁ」
また涙がこぼれた。
私の我が儘だと知ってる。
こんなの私の我が儘だということくらい。
「瀬璃・・・」
パチッと目を見開いた千尋。
そりゃ困るよね、こんな我が儘。
けど、どうしてもこれから他人になんてなれないよ。
私にとって千尋は特別な人だから。
「当たり前じゃん」
「・・・え?」
「俺たちは、変わらず友達だから。離れられないよ。今更」
良かったって、また涙がこぼれた。
千尋が当たり前じゃんって言ってくれた時、嬉しくて仕方なかった。