彼の視線の先、彼女。








「あの・・・っ、千尋くん」



私は思わず目が点になる。

何故か通り過ぎるはずだった2人が立ち止まっている。





正確には、先に爽香ちゃんが止まった。






「ん?何?」



目の前の千尋は一度壱稀を見て爽香ちゃんに優しく問い掛ける。





ちょっとチャラチャラした雰囲気の千尋と清楚で華奢な爽香ちゃんはあまり似合わない。



なんというか、壱稀と爽香ちゃんの方がしっくりくるような気がした。






「えと・・・っ、あの」


けれど、爽香ちゃんの周りの空気が明らかに違う。


何か、感じてはいけないものを感じてしまった気がした。






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