彼の視線の先、彼女。





「ごめん・・・瀬璃。俺」



切ない顔が好きだ。



その声も全部、大好き。




そう叫びたいほど壱稀でいっぱい。




でも、ただ見つめることしかできない。







「・・・っ瀬璃が好き」




涙があふれた。

堪えきれなくなった。






野球部の掛け声も、誰かの笑い声も。

さっきまで聞こえてた音が何もかも聞こえなくなった。






壱稀に全てを支配された。




もう壱稀の虜、目が離せない。






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