彼の視線の先、彼女。
「メロンパン買わないの?」
昨日は一度購買に行って屋上に行ったけど、今日はスルーしてそのまま屋上に向かっている。
”この人・・・、今日は何も食べないつもり?”
正直、最初はそう思っていた。
というか私の脳内にはこの選択肢しかなかった。
「んー?行かないー」
「ふーん、じゃあ急ご」
思ったとおりやっぱり行く気は無くて、もし私の弁当を頂戴なんて言い出したら。
絶対に無視してやろうと意気込んでいた。
それくらい、私は極力爽香ちゃんのまえで千尋と関わりたくなかった。