コスモス
……………
「じゃあ、シュウ受験することにしたんだね」
今日返却された成績表を見ながら、明日可は言った。
「凄いじゃん!期末、凄く上がってる」
「だろ?やればできる子だから」
「なんかその台詞聞いたことあるなぁ~」
夏の日差しが眩しい病室に、僕等の笑い声が響く。
終業式も終わり、今日から晴れて夏休みだ。
「どうするの?塾とか通うの?」
成績表から目を離し、明日可が聞いてくる。
「いや…、一応、母さん達にも相談したんだけどさ。雅さん…あ、姉ちゃんの彼氏なんだけど、その人が家庭教師引き受けてくれて」
…そうなんだ。
夏休みの間だけ、雅さんは僕の家庭教師を引き受けてくれた。
密かに、姉貴が頼んでくれたらしい。
「へぇ!そうなんだ。よかったじゃん!」
「雅さんK大生だからさ。めっちゃ賢いの」
「K大!すごっ!」
僕は冷蔵庫の中からリンゴを取り出す。
「食べる?」
「うん!」
少しずつだけど、明日可の食欲は戻ってきている。
心なしか、頬もふっくらしてきた。
明日可の拒食は精神的なものだから、今は落ち着いているということだ。