コスモス
僕が指につけている明日可からもらったものとは違い、細い線のそれ。
真ん中には小さな花のモチーフがついていて、それが、誕生日にあげたピアスとネックレスのイメージにピッタリだった。
「あげんの?瀬堂に」
「いや…、だって、誕生日でも何でもねぇのに…」
僕はそれを元あった位置に戻した。
カズはそれをもう一度手にとり、光にかざす。
「いいじゃん。あげたい時にあげれば。今いいって思うんなら、今があげる時なんじゃね?」
かざしたリングに目を向ける。
…目一杯光を浴びたそれは、眩しい程に綺麗だった。
…家に帰って携帯を見ると、明日可からのメールが来ていた。
『明日始業式だよね。もし終わって時間があるなら、会いたいな。』
僕は携帯を閉じる。
視線を、カバンの中へとずらした。
…小さな包み。
「…よし」
僕は小さく呟いて、机の上の参考書を開いた。