コスモス

「そういや聞いた?ミキ、N女受かったって」
「えっ、まじで!?すげーな、あいつ」

カズの知らせに、僕は素直に驚いた。
N女といったら、かなりレベルの高い国立だ。
人知れず、努力してたんだろう。

「近々さ、みんなでお祝いやろうぜ。パーッとさ」
「ああ、やろ…」


…一瞬、言葉が止まった。

そんな僕に気付き、カズが口を開く。


「言ってきたのは、タケだから。あいつ意外に気にしてねぇよ。逆に来年の受験に燃えてるって感じだし」
「…そっか。ならいいんだけど」


…そうなのだ。

タケは、受けた所全て落ちてしまった。

本人は至って平然としていて、「俺を落としたことを後悔させてやる」と、来年の受験に意気込んでいるみたいだ。

スパッと切り替えができることは、あいつのいい所だ。



「まぁ、俺的に一番驚いたのは誠二だけどな。まさか、千歌ちゃんと一緒にF大に受かるなんてな」
「…恋愛ってすげぇよなぁ…」

必死に勉強した誠二は、見事第一志望に合格した。
春からは、千歌と同じキャンパスだ。

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