コスモス
…走り出したワゴンの中。
そこには手当たり次第に開いたお菓子の匂いと、すぐに打ち解けた女の子達の笑い声が満ちていた。
車の席順は、助手席にカズが座り、後ろに僕、タケ、誠二。前に明日可、ミキ、そして誠二の彼女千歌が座った。
千歌は想像よりもずっと可愛かった。
ミキと同じくらい小柄で、ウェーブのかかった髪は、明日可より少し長い。
くりっとした目と、ちょこんと乗った鼻が、ハムスターを連想させる。
大人しそうに見えたが、ミキと同じくらい溌剌としていて、誠二が尻に敷かれている様だった。
「誠二のくせに、こんな可愛い彼女かよ~!」
そう言ったのは、タケ。
自分と同じ匂いのする相手に、自分にはいない可愛い彼女がいるのが許せないらしい。
「くせにって何だよ!悔しかったらタケも可愛い彼女つれてきてみろよな」
「いれば迷わずつれてくるよっ」
車内が笑いに包まれる。
カズの親父さんも笑っていた。
ふっと前を見ると、明日可と目が合う。
僕等は2人とも、右端に座っていた。