終ワラナイモノ①
―休み時間


あたしと優子は女子トイレにいる。



「転入生がアイツとは知らなかった…」

ガッカリしている優子。


『うん。帰って来ちゃったね…
てか、その話誰から聞いたの?』



「昨日忘れ物しちゃって学校に戻ったの。

そしたらテニス部の先輩っぽい人が

【一年に転入生来るらしいよ、しかもイケメン。

さっき職員室であたし見たんだから】

みたいなこと言ってたのを聞いて…」


さらにガッカリする優子。



『それは分かったけど…

拓弥、"仕事"大丈夫なのかな?』


「あぁ、ハリウッドだっけ?

もう飽きたとか言って戻ってきたんじゃない?」

拓弥は


「俺、必ずハリウッドで活躍してやる」


とか言って拓海の両親と一緒にアメリカに行った。



今では超売れっ子俳優になっちゃったけど。



『あたし、教室に帰るのが怖い…』


「me tooだよ♪」

なんでそこ英語?
まぁいいや。



「でもあの二人って性格真逆だよね。

拓海は結構俺様なところがあるけど拓弥はなくて逆に紳士的だし。

同じ顔してるんならあたしは拓弥の方がいいけど…」


チラッと横目であたしを見た。



何その顔?

あたしが趣味悪いって言いたそうな顔してる。



『拓海は拓海でいいところあるもん』
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