終ワラナイモノ①
「見ての通り城戸拓海の双子で城戸拓弥が拓海の弟だそうだ」

と先生が紹介をした。


すると女子達はお得意の質問攻めをし始めた。



「タクヤくん、好きなタイプは~」

「好きな人いるぅ?」




拓弥はそんな質問にニコりと返してあたしの方を見た。




「拓弥…」



あたしは拓弥にしか聞こえない声で呟いた。



「久しぶり、莉奈。元気だった?」



あの頃と変わらない笑顔。



だけどどこか寂しげに見えるのはあたしだけだろうか?

そんなあたしたちのことに気づいてか女子達はさらに質問攻め。



「タクヤくんと安藤さんって知り合い?」

「あ、タクヤくんも安藤さんの幼馴染み?」




すると拓弥は女子に身をひるがえし

「よろしくね」

と一言だけ言って先生に言われた一番後ろの窓側の席に行った。





嵐の予感…





そう思ったのはおそらくあたしと優子。




だって拓海と拓弥って…









スゴく仲悪いんだもん。
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