砂糖菓子
必死にこの気持ちを隠した。 


嘘だ・・・ 


偽りの気持ち。 


だって先輩と全く違う。 

ただ少し整った顔にドキドキしただけ。 



そうだよ・・・ 


先輩への気持ちはこんなんじゃない。 


氷野クンだからじゃない・・・ 


誰だってかっこいい人が近くにいると照れる。 


そんな気持ちなんだよ。 


恥ずかしい、 


照れてるんだよ。 


「オィ。西中の奴は?」


あっ! 


忘れてた。 


「ロードワークに行ってて、あと5分位で帰ってくるはず。」


「ふ〜ん」


「カバン、ここにまとめて置いて。グランドでアップしていいし。」


「分かった。」


そう言って東中の人達を連れて来た。 


私はストップウォッチを持ってロードワークのゴールに立った。 


氷野クンが見れなくて、 


先輩でいっぱいのはずの気持ちが崩れてしまいそうで・・・ 


愚かな自分を恨んだ。 


氷野クンだからじゃないんだ・・・ 

思い入れ。 


先輩の事を、 


サッカーの事ばかり考えていた。
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