とある彼女のじれじれ彼氏


 「え…と」

 「あらあら、その顔は図星みたいね~、いいわ!今日は帰りなさいっ!」

 「えぇ…?」


母は嬉しそうに目尻を下げて私が持っていたお盆を取り上げた。


 「母さん…」

 「ねっ!みんなには上手く言っておくから、彼女さんも待ってるんでしょ?」

 「…ありがとう」

 「えぇ、今度会わせてね?」

 「うん…今度ね、じゃっ」



母さんに軽く頷くとリビングから見えないように玄関に向かった。


靴のつま先を叩いてきちんと履くと、リビングのドアからちょこんと顔を出した母さんに手を挙げて実家を出た。





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