らっく!!
「取りあえず俺は愁の最近の動向を調べる。お前は美弦ちゃんからできるだけ詳しい情報を聞け。わかったな?」
「……わかりました…。会長の言うことをきくのはしゃくだけど美弦のためだしね…」
ため息をついた大原はメモを取り出しスラスラと何事か書き始めた。
「これっ。冬休みの美弦の動向です。知ってる限り書きました。高屋先輩について調べるならここから始めるべきですね」
書きあがったメモを渡される。
そのメモを読んでいると大原からの無遠慮な視線を感じた。
「なんだよ」
「会長も何だかんだ言ってあのふたりが心配だったんだなーって」
「…愁があのままだと俺も張り合いがないからな」
…からかうネタが減って。
最後にそう付け足すと大原が呆れたようにため息をついた。
「付き合ってらんないわ…」
大原は椅子をガタッと揺らし、身支度を始めた。
「帰るのか?」
その問いかけに不機嫌な声音が返ってくる。
「当たり前でしょ?これ以上会長と居たら憤死しそう…」
失礼な奴…。俺と一緒にいて憤死するなんて大げさだ。
「送ってってやるよ」
半ば嫌がらせのようにそう言うと大原は目を見開いてポカーンと俺の顔を見つめたかと思えば…。
「はあぁぁ―?」
眉間に皺を寄せ、あからさまに拒絶反応を示した。