らっく!!



…家を出よう。


そう思いたったのは白石達に脅されて1週間経ったあたりだった。


私は今日もあいつらに呼び出された。


「早く持って来いよっ!!」


「ぐっ…っ!!」


この1週間でわかったこと。


今、私の鳩尾を蹴り上げたアクセの男は中村。


「いい加減持ってこないと死ぬぜ?」


そう言って床に倒れた私の髪をつかみ無理矢理頭をあげさせた茶髪は渡という名前だということ。


いつまでもデータを持ってこない私に業を煮やし始めたのか、早くデータカードを持ってくるように適当に痛めつけられる。


反抗はしない。


反抗しても無駄だ。


あちらは私の動きを止める術を熟知しているのだから。


「そのくらいにしとけ」


白石が2人を制し、タバコに火をつける。


このグループはどうやら白石がリーダーらしい。


中村と渡は私から離れ、白石の様子を窺う。


白石は中腰になって私の顔を覗きこんだ。


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