らっく!!
「はあ…」
確かこの1週間で凪ちゃんに告白してきた人は2人だ。
どちらもどこかの会社の御曹司。
それを小物って…。
聞いた私が馬鹿だった…。
「私としては高屋先輩でも充分なんだけどな~…」
ニヤニヤと意地の悪い笑みを零しながら、凪ちゃんは私の様子を窺っていた。
「凪ちゃん…!!」
私はカップを置くと、凪ちゃんを睨んだ。
凪ちゃんのバカっ!!
他の人ならともかく、愁先輩まで!?
この節操なしぃぃ!!
「怒んないでよ~冗談!!冗談だから!!」
両手を合わせて謝る様子に漸く怒りがおさまる。
ったく凪ちゃんが言うと冗談に聞こえないよっ!!
私は知らなかったけど、愁先輩も相当なお金持ちらしいんだよね…。
それこそ凪ちゃんの標的に入るような。
気分も落ち着いたところで、私は常々思っていたことを口に出した。
「凪ちゃんは本気で誰かを好きになったことある…?」
凪ちゃんは即回答。
「ないっ!!私の恋人はお金だから♪」
私はため息をついて、続けた。