らっく!!

花、開く



それからずっと愁先輩とは会ってない。


中庭にも一度も行ってない。


徹底的に避けまくった。


凪ちゃんも心配してるみたい最近はしきりに話し掛けてくる。


「美弦?聞いてる?」


「えっ?ごめんなに?」


ボーっとしてて凪ちゃんの話を聞き逃していた。


「今日は生徒会があるから一緒に帰れないって言ったの!!」


「そっか…生徒会って忙しいんだね」


「会長が横暴なだけよ」


私も凪ちゃんみたいにやることがあればなぁ…。


凪ちゃんはお弁当を一旦、机に置き長いため息をついた。


「早く仲直りしなよ?」


「うん…」


私は力なく答えた。


私がこんなんじゃ凪ちゃんも調子狂うよね…。


凪ちゃんには詳しいことは話してない。


自分でもなんて言ったらいいかわからなかった。


悲しかったのか

悔しかったのか

つらかったのか


全部ごちゃ混ぜになったあの感情。


なんて言ったらいいんだろう―…。


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