真実の糸
「やっぱり、翔さんには、綺麗な人が似合うね。」


「朱里……。」


「うん?なぁに?」


「ちょっとこい」


ときみくんは、私の手を引いて会場を出た。


私は、どうしてきみくんが、私を会場から連れ出したのか、分からなかったけど。
でも、少しでも長く、きみくんと居られたらと思っていた。


そんな、私たちの姿を、翔さんが怖い顔をして見ていたなんて、
私は、知るよしもなかった。


本当にただ私は、大好きなきみくんとこのまま、一緒に居られることを、祈っていた。


大好きな人と一緒に居たいと、願っていた。


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