ビタミンC


「北海道で」


僕はシンプルに、でも笑顔も付けて返す。


「本場や!えぇなぁ!」


本場?

彼女の言葉にはかなり疑問が残るが、そうだねと笑っておく。もう話が終わったのだと思い、開きっぱなしになっていた本に目を向けた。



「なぁ、名前なんなん?」


本に目線は行きつつも、目を見開いた。そしてそのまま彼女に目線を移す。


僕には理解しがたかった。いきなり話しかけて来たかと思えば、特に仲良くなったわけでもない他人に名前を聞く。彼女が噂の「ぶっ飛び木崎」だと分からなくとも、これだけは察した。


…こいつぶっ飛んでる。



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