17歳の不良と6歳の殺し屋
「ねぇ、翡翠」
「何?雫」

「まさか、残りの銃を説明(自慢)しにここに来たとか…?」
恐々と聞いた台詞に翡翠はこれ以上なく可愛らしい微笑みを浮かべた。

(やっぱりかぁああ!!)

涙も出やしない。
翡翠は相当の拳銃マニアだ。

「でも、殺し屋って普通そういうのはなるべく隠すものじゃないの?」

「隠す必要なんか無いわ。格下なんかに」

「……おい」

さり気なく侮辱されたが、もうなんだか怒る気にもならない。

「……ハリスは?」

常に横に立っていた男が居ないことに気付き問うと、翡翠はどうでもよさそうに呟いた。

「情報集めよ。」

「仲いいよね。アンタ等」

雫も余り感情の篭らない台詞を吐く。翡翠を相手に感情的になったら負けだと思えるからだ。

「腐れ縁って奴よ」

「あっそう」

雫はチラリと翡翠を盗み見た。翡翠は下に広がる町並みを眺めているようで、心ここに在らずと言った所か。どこか遠くを見据えていた。
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