17歳の不良と6歳の殺し屋


「ハァイ!ひーちゃん。」


「ひ、ひーちゃん?!」

雫は思わず顔を青ざめてしまった。この翡翠に向って在ろう事か『ひーちゃん』
雫は今まさに、教室でのクラスメイトと同じ境遇を味わう事になったのだ。


「ふざけた呼び方をするな。質問に答えろ。何故、貴様がここにいる?」

「さ~なんでだろう?」

旋風が舞う。空気がピリピリと痛んだ。殺気のせいで内臓を押し潰される様な錯覚が起こる。

(翡翠のあんな瞳…見たことない…)

雫は今まで見てきた翡翠を思い出す。少し小生意気な顔。襲ってきた時の無表情。ハリスとるとき。銃の説明時。とにかく短くも色々なものを見た。
だが、こんなにも殺気立つ…鬼のような姿を想像も出来なかった。
自分が狙われているわけではないのに…恐怖で体が動かない。
ダラダラと流れる汗。震える足。波打つ鼓動。鳥肌。
下っ腹をエグるナニか。

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