17歳の不良と6歳の殺し屋
完全にコルトの姿が消えると翡翠は何事もなかったように銃をしまい、空気は晴れ渡るように軽くなった。
雫は、思う。自分の力を見誤っていたと。
本当に自分は翡翠の足元にも及ばない存在なのだと…。
もし、コルトの言うように、翡翠が本気を出していない状態だとしたら。己は本気になった翡翠の殺気だけで殺されてしまうかもしれないと思う程に。

「雫」

翡翠の声にビクリと反応する。
それを、翡翠は少し悲しそうに目を細めた。

「雫…大丈夫?」

「ええ」

雫はしっかりと立ち上がる。己の鼓動がうるさい。
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