17歳の不良と6歳の殺し屋
そう、ここは雫の家だった。
翡翠は結局あのまま雫の家に居ついていたのだった。
もちろん寝るのも雫の部屋だ。

翡翠はスヤスヤと眠る雫に視線をやると、目を細めた。


(なんだろう…この気持ち…)


胸が鈍い痛みを覚えた。
きゅうっと締め付けられるような。
不安でも恐怖でも悲しみでもない。


罪悪感に、似た、その感覚。



巻き込んでしまうのか。この娘を。


頭の中で呟く言葉。
自分の運命に。
誰にも立ち入らせなかった自分の中に
まさか誰か他人を自ら引き込もうとするとは…
己で信じられなかった。


何に引き寄せられたのかもわからない。


(すまない…雫…私は)


空を見上げれば星空。雲ひとつ無い空の中心に黄金の月。


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