17歳の不良と6歳の殺し屋
「まったく、最近の日本は汚れてる」

翡翠は、はぁ、と深く溜息を吐く。

(お前は幾つだ)

それに鋭く心の中で指摘をする雫。何はともあれ雫は下に下りて行き、朝食の準備に取り掛かる。


トントントンッと階段を下りていくのを聞きながら翡翠はガチャガチャと銃器を分解していた。
メンテナンスをしているのだ。
ついでに大切に磨いていく。その傍らには綺麗に弾が整列している。

「雫の弾はもっと買っておくべきだったわ…」

呟いて片手で携帯を取り出すと、翡翠は携帯に視線も向けずにピピポポパッととんでもなく早い打ち方で番号を押すとすぐにコールが鳴る。

「HI、私だ」



短いやり取りの後、直ぐに電話を切った。
パタンと折り畳んでその携帯をしまうと下から雫の声が響いた。

「翡翠~~!!」

翡翠は立ち上がってゆっくり扉を開けて階段を見下ろす。
階段の下には雫がこちらに向って叫んでいた。

「ほんっと、行儀が悪いな…お前は。何の用?」

「どこら辺が行儀悪いんだよ…翡翠はトースト派?ご飯派?」

「…トースト」

「あ~やっぱそこはそうなんだなぁ。どう見ても東洋人じゃないし」

「関係ないでしょう、それは」


翡翠は話はそれだけ?というとまた部屋に戻って行った。

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