彼の隣に生まれついたのは、偶然じゃなく必然だった
第二章:【その後】
「あ、ちょっと杏里っ!見て、テレビっ!!もぅ祐クンてば、超~かっこよくなっちゃってあんたホント馬鹿よねぇ。」
…朝からホント無神経な母親。
でもついついあたしもそんなママの言葉に反応して、テレビに見入ってしまう。
祐輔が出てるCM。
あれから、祐輔はどんどんと遠い存在になっていった。
最初は雑誌にちょろっと出てただけだったのに、女の子ってホント、そーゆートコから発見するのがうまいんだ。
あっという間にウワサになって、人気が出て、雑誌の表紙飾ってたと思ったら、テレビに出始めて、CM、ドラマと、もう祐輔を見ない日はなくなったぐらい、今旬の人となってしまった。
祐輔と別れたコトは、後悔してないって言えばウソになる。
でもこんな有名になってしまった彼に、別れておいて正解だったと、ほっとしてる自分もいるんだ。
あの隣に今もあたしがいたら…ファンの子の反応を考えるとゾッとする。