彼の隣に生まれついたのは、偶然じゃなく必然だった
第二章:【その後】


「あ、ちょっと杏里っ!見て、テレビっ!!もぅ祐クンてば、超~かっこよくなっちゃってあんたホント馬鹿よねぇ。」

…朝からホント無神経な母親。

でもついついあたしもそんなママの言葉に反応して、テレビに見入ってしまう。

祐輔が出てるCM。
あれから、祐輔はどんどんと遠い存在になっていった。

最初は雑誌にちょろっと出てただけだったのに、女の子ってホント、そーゆートコから発見するのがうまいんだ。

あっという間にウワサになって、人気が出て、雑誌の表紙飾ってたと思ったら、テレビに出始めて、CM、ドラマと、もう祐輔を見ない日はなくなったぐらい、今旬の人となってしまった。

祐輔と別れたコトは、後悔してないって言えばウソになる。

でもこんな有名になってしまった彼に、別れておいて正解だったと、ほっとしてる自分もいるんだ。

あの隣に今もあたしがいたら…ファンの子の反応を考えるとゾッとする。


< 10 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop