彼の隣に生まれついたのは、偶然じゃなく必然だった
…とりあえず、落ち着こうよ自分。
何とか冷静になる為、心の中で呟く。
涙が引いていく。
仕事中なんだし、急がなきゃ。
トイレの鏡に映る自分。
目が少し赤いけど、しょうがない。
早く戻らなきゃ。
涙を拭いて、自分のデスクへと戻る。
「杏里、大丈夫?どーしたの、急に!」
咲が不思議そうに聞いてくる。
編集長も心配そうな顔を向けてくる。
笑え、あたし。
「あははっ、スイマセン。実はあたし悠の超ファンで、興奮しすぎました☆」
なんて笑ってごまかしたのに。
まだ2人とも怪訝そうな顔。
お願い、信じてっ…!