*恋の味[上]*【完】


605号室……605号室……って何練?!

もー、めんどくさっ!


地図のとこまで行くとか、来た道戻らないとないし。


「あっ!真麻ー?」

たくっ!今度は誰……

「アカリぃぃぃ?」

なんでここにいんの?!

「本物じゃん!」

偽物っていんの?

「えーどうしたの?どっかケガしたの?」

「どうしたのって、こっちのセリフだし」

アカリの親も入院してんのかな?

偶然にもほどあるよね。

「え?知らない的な?ここ、うちん家だよ〜ん!」

…………………。

は、え、あ?

「えぇぇぇぇ?!」

「シっ!病院では、お静かに」

アカリが病院の……。
アカリが院長の……。
アカリが医者の卵……。
ナスビはママ……。
キュウリはパパ……。

「いや、医者の卵じゃないし。医者ならないし。しかも、ナスビはママ?キュウリはパパ?人間じゃないし、生きてもないじゃん」

鋭いツッコミを受けるが、私は放心状態……。

だってさ?だってよ?
おチャラケラッチョのアカリンが、「これから手術をする。メス」のお医者さまだよ?

世の中ぎっくり腰だ。

「あのー、桜野ー?大丈夫ー?」

「ワタクシダイジョウブデアリマス」

「せめて、平仮名にしようよ」

へぇ〜ほぉ〜。

ま、お金持ち学校だから、お金持ちばっかでも、おかしくないか。


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