見知らぬカレと同居生活!?
「あいつは、妹の家庭教師やってたんだよ。実家同士が近所でさ。
1年前までだけどな。

梨華も、俺と同じ大学だから、こっちに越してきてる。

この春休みに梨華が帰省して、
そん時にでも俺のお袋が、俺の忘れ物を頼んだんだろ、おおかた。

いきなり来たから、俺も驚いたけど。」


「彼女さんじゃ、なかった……のかぁ。」

苦しかった胸が、フッと楽になった。

なぜだろう。

あたしは、自分の不透明な想いに、この時はまだまったく気付いていなかった。



「あたしのコト、わざわざ探してくれたの?」


「………」


「ねぇ、快晴くんっ。」


「………そりゃ心配もするだろが。梨華を見たとたんに手ぶらで駆け出してっちまって。
なかなか戻ってこねーし。
だんだん暗くなるしよ。」

携帯を見ると、5時を過ぎていた。辺りも薄暗い。

「あ……ありがとう、快晴くん。」

黙って頭をかいている快晴くんに、笑顔でお礼を言った。

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