あんな。めっちゃ、だいすきです。


「蔵本さんのことやけど……岡野さんとか、学生さんにはつらく当たってたらしいね。」

「…………」

「辛い思いしたね。きづかんかってごめんな」

「─────、」



ごめんな、て。



優しい口調で言われることば。



ごめん、なことないのに。



…うわ、あかん。

こんな、たった一言で泣きそうになる。


弱ってるときのこういう言葉って、アカンなぁ。


涙腺って、どうやってきたえられるんやろ。


すぐゆるんでまうん、どうにかしたい。



…ごめんな。



そう言われて、思った。


ウチは、その言葉を聞きたいんやない。


もらいたいんやない。




ウチは…ごめんな、ごめんなさい、って。


言いたい。


渡さなアカン、ひとがおるねん。



「…主任さん」



差し出されたファイルを受け取らんまま、まっすぐ。


しっかりした声出して、言った。



「蔵本さんと…もっかい、話がしたいです。」

「…………」

「話だけ…させてくれませんか?」



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