あんな。めっちゃ、だいすきです。
このまま終わるん、やっぱりいやや。
これっきりって、割り切ってしまうんはかんたんやけど。
割りきることも、きっと大切なこと。
でもそんな風に、割りきってしもたら。
こんな気持ち抱えたまま、看護師目指します!って堂々と言えへんもん。
なぁ、ウチ。
蔵本さんの、まゆげがつり上がっとるん以外の。
怒っとる以外の顔も、見たいよ。
─コンコン。
病室のドアを、ノックする。
力加減がうまくいかんくて、一回ずつ。
ぜんぶおっきさのちがう、ノック音になってまう。
「はい」
蔵本さんの返事が聞こえて。
…せっかくもらえた、もう一度だけのチャンス。
勇気を出して、部屋ん中に一歩、踏み出した。
「…失礼します」
「…………!!」
「岡野です」
なにしにきたんや、って言う顔もできんくらい、あっけにとられたみたいな蔵本さん。
あんぐり開いた口と、まんまるに開かれた目。
まんまるの中に、ウチの顔が映ってて。