あんな。めっちゃ、だいすきです。


そんなん恥ずかしいし、絶対イヤやってゆうたはずなんやけどな。


っていうかおとうさんにも彼氏おること言うてないし!





実家は、ウチが大学に通っとる下宿先から2つの県を飛び越えたとこにある。


帰ってきたんはほんまに久しぶりやのに、やっぱり匂いは慣れたもんで。



「あっつ……」



重い荷物を実家の床に転がして、自分も一緒に床にごろんてなる。


荷物、いっつもデカなるねんな。

ちっちゃくまとめるのへたくそやねん。


ポケットから携帯を取り出すと、さっそくいっちゃんにメールした。




『いっちゃん、無事ついたよ。』




いっちゃんへのメールは、いっつも短い。


たまにめっちゃ意味ない、変な絵文字だけ送ったりする。


いっちゃんも、気持ち悪い絵文字を送り返してくれる。




──送信しました──




画面を見ながら、ふと思った。



…こんな遠い距離からメール送るって、あんまなかったなぁ。


< 65 / 389 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop