美男子症候群!?
あたしが焦りと混乱でピシリと固まっていると、拓海くんはゆらりと中に入ってきた。
「野宮……」
「は、はいぃぃっ!?」
「おまえ……」
怒られる!? 罵られる!?
気持ち悪いと、死ね消えろカスと、存在自体を拒否される!?
怖くて、聞きたくなくて、思わず両耳をふさいだ。
けど、
「なにシカトしよーとしてんだよ、ああ?」
両手をつかまれて、聞くしかなくなってしまう。
どうしようもなくなって、ギュッと目をつむったら、
「人に鼻血ぶっかけといて逃げるとは、どういう了見だコラ」
予想外に、優しくて落ち着いた声がふってきた。
え……なんで?
拓海くん、あたしのこと嫌いになったんじゃないの?
気持ち悪く思ったんじゃないの?