美男子症候群!?

あたしが焦りと混乱でピシリと固まっていると、拓海くんはゆらりと中に入ってきた。




「野宮……」



「は、はいぃぃっ!?」



「おまえ……」




怒られる!? 罵られる!?


気持ち悪いと、死ね消えろカスと、存在自体を拒否される!?



怖くて、聞きたくなくて、思わず両耳をふさいだ。



けど、




「なにシカトしよーとしてんだよ、ああ?」




両手をつかまれて、聞くしかなくなってしまう。


どうしようもなくなって、ギュッと目をつむったら、




「人に鼻血ぶっかけといて逃げるとは、どういう了見だコラ」




予想外に、優しくて落ち着いた声がふってきた。





え……なんで?



拓海くん、あたしのこと嫌いになったんじゃないの?


気持ち悪く思ったんじゃないの?


< 314 / 329 >

この作品をシェア

pagetop