すっぱちゃっぷす☆
「……!」


愛人……。


私の瞳に、愛人と美川さんが映る。


二人は、パイプイスを列べていた。



あ…。


その時、ふいに美川さんと目が合ってしまった。


美川さんは私が見ていることに気付くと一瞬目を大きくして、それからニヤ…と笑った。


そして美川さんは
いきなりよろめくと地面に倒れそうになった。


それに気づいた愛人は、すかさず美川さんの体を支えてあげた。



美川さんは私に、うふン、とウィンクをした。


ズキン…


私の胸が痛む。


見たくない衝動にかられ、私は視線を反らした。



「ほら、ね。
恋愛には何が起こるかなんて、誰にもわからない。
張本人にも、ね?」



それって、愛人が美川さんを、好きになる可能性が、あるってこと?


何か、そんなの……


私は今にも泣きそうだった。




「ねぇ、詩織…
あんたは一体、誰が好きなの?」




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