半熟cherryⅡ

茜は指導室の中に入ると。

入ってきたトキとは違い。

ゆっくり静かにドアを閉めた。





「茜…何しに来たんだ?」





俺の胸ぐらを掴んだままの杉原が。

茜に聞いた。





「…ココは学校です。
生徒相手に何してるんですか?!」





茜は、杉原の問いには答えず。

教室で見る“教師”のまま言葉を続ける。





「…逢沢クンは高校生です。
話しで充分理解できる年齢ですよ」





茜はうっすらと眉間にシワを寄せると。

真っ直ぐに杉原を見た。





「理解できないみたいだからこうなってんだよ、茜。
これも愛情だ、愛情」





“ククッ”と喉の奥で笑う杉原は。

俺の胸ぐらを掴む手にまた力を込めた。





…なにが“愛情”だ。





アンタのはただの“我儘”じゃねぇか。



 

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