半熟cherryⅡ

玄関には。

脱ぎ捨てられたようなデカいスニーカー。





…見間違いだと思いたい。





“ギュッ”と目を瞑ってもう一度開いてみる。





そこには。

…やっぱりデカいスニーカー。





…く、く、く、く…。

空気読め!!バカ涼真!!

それに。

俺、来んなって言っただろうが!!





右手に“ギュッ”と拳を握ると。

靴を脱いで。

リビングへ続く廊下をズカズカと進んだ。





バンッ!!

乱暴にリビングのドアを開く。





『おいッ!!バカ涼真…?!』





勢いよく入ったリビングには。

涼真はいなかった。



 

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