半熟cherryⅡ

『…俺、来んなっつったよな』

「誘われたんだから仕方ねぇだろーが」



ブチブチ文句を言いながら歩く俺。

隣にはため息を吐いてる涼真。







「誰かに会っちゃうとめんどくさいから後から来てね」





一美センセイのそんな言葉の後。

簡単に書かれた地図と一緒に茜の部屋を出された俺たちは。

一美センセイが予約したという店まで歩いていた。





だいたい。

俺は、4人でメシ食うために来たワケじゃねぇんだよ。



車ン中でイイ感じだったのに。

なんだって“4人でメシ”になるんだよ。





…も〜。

テンション、ガタ落ちデスわ…。





「だいたいさ〜」



涼真がブチブチ独り言を言ってる俺に。

デカいため息を吐きながら言った。



「エロいコト考えてっから凹むんだろ?」



…うるさいし。

誰が煽ったんだかわかってんのか、バカ涼真め。



『…一美センセイと2人で行きゃーいいじゃねぇか』

「アホ。
それができたらココにいねぇよ」



涼真が腹の底からため息を吐いた。



 

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