♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
次の観覧車の扉がパタンと開いて、瀬戸内と萌が降りてくる。



「彩木、お前何やってんだよ…」

地上に降りるとすぐ、彩木に突っかかる瀬戸内。

「俺は、何も…
そうだよね、牧村さん」

彩木と瀬戸内を交互に見比べる。

あたしは、もう二人に合わせる顔がない。

地面に向かって、軽くうなづいた。



「お前、ふざけんじゃねぇよ」

彩木を怒鳴りつける瀬戸内の声も、今は苦しい。

もう訳がわかんなくて、涙がこぼれそうだ。



「あたし、もう帰るね…」

そう言って、みんなに背を向けた。
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