♂ vs ♀ ~男女寮戦争~《完》【続編完結】
パタパタ小走りで戻っていく萌。

あたしは、フェンスに向かって立っていた。



あいつは、まだいるんだろうか…

あたしの後ろに気配を感じる。

あたしはまた、フェンスに手をかけた。



「牧村、お前も…」

「…わかってるよ」

あいつの言葉をさえぎるあたし。

あいつにバレないように涙をぬぐう。



「あんたも、先に戻ったら?」

顔を上げて、息を整える。

早くどこかに行ってほしい…

こんな顔見られたくないし、あいつの顔を見る勇気もない。
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