鳥籠の姫


……えっ?


声にならない声が出た。


だって……


目の前には不機嫌そうに

壁にもたれて立つ陸君がいたから。



「遅い。」


そう呟くなり私の手を掴んで歩きだす。



「……あっ。えっ?みんなは?」


慌てて問い掛ける私。


すごくあたふたしてた。






ちょっと前を歩くあなたが

こっちを見て

くすって笑った。




そのあなたの笑顔が

私の心を一瞬で掴んだんだよ?



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